2026年5月13日

2型糖尿病の革新的な新薬「マンジャロ」について、仕組み・効果・副作用を糖尿病専門医の副院長が解説。吹田市でHbA1cの即日検査や腎機能評価などを行いながら、最適な治療を提案します。

【この記事でわかること】マンジャロのポイント
特徴: 世界初の「GIPとGLP-1」2つのホルモンに働く週1回の注射薬
メリット: HbA1cの低下・改善と、体重減少の効果が期待できる
当院の強み: 糖尿病専門医と腎臓専門医が連携し、即日検査結果をもとにその場で処方を判断

新しい注射薬があると聞いたのですが・・・
副院長(糖尿病内科)の外来でも
「マンジャロという薬をネットで見たんですけど…」
「今の薬から変えたほうがいいですか?」
というご質問が増えています。ご自身で調べて質問を持ってこられる方が多い千里ニュータウンエリアならではだと感じます。
当院では、こうしたご質問をいただいたとき、まず一緒に情報を整理するところから始めています。
新しい薬の話題は不安も大きいもの。納得して治療を選んでいただけるよう、副院長が時間をかけてお話ししています。
マンジャロ(チルゼパチド)とはどんな薬ですか?
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2023年4月に日本で発売された比較的新しい2型糖尿病治療薬です。従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1の2つのインクレチンホルモンに同時に作用するという、これまでにない仕組みを持っている世界初の「デュアルインクレチン受容体作動薬」です。2型糖尿病の治療薬として週1回の皮下注射で使用します。
マンジャロの作用メカニズム
食事をとると、腸からGIPとGLP-1という2種類の「インクレチンホルモン」が分泌されます。これらのホルモンは、膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる役割を担っています。
臨床試験での効果
マンジャロの有効性を検証した国際的な臨床試験では、以下の結果が報告されています。
HbA1cの低下:ベースラインから約1.9〜2.6%の改善(用量・試験により異なる)
体重減少:約5〜12kgの減少(用量・試験により異なる)
日本人の2型糖尿病患者さまを対象とした試験でも、52週時点でHbA1cの低下において従来のGLP-1受容体作動薬(デュラグルチド)に対する優越性が確認されています。
ただし、これらは臨床試験の結果であり、実際の効果には個人差があります。
当院ではどのように判断していますか?
日本糖尿病学会の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)」では、チルゼパチドは肥満を伴う2型糖尿病患者さま(インスリン抵抗性を想定)の薬剤選択肢のひとつとして位置づけられています。
日本人の2型糖尿病は欧米とは病態が異なり、インスリン分泌能の低下が大きく関わっています。そのため、治療薬の選択は病態(肥満の有無やインスリン分泌の状態)、安全性、併存疾患を総合的に評価して決定します。
副院長(糖尿病専門医)として率直に申し上げると、マンジャロは万能薬ではありません。当院では、HbA1cの即日検査結果を見ながら、体重推移や腎機能(eGFR)も含めて、その日のうちに総合的な判断をお伝えしています。「検査結果を待って後日また来院」という手間がかかりません。
さらに、院長が腎臓専門医であるため、糖尿病と腎機能の両方を1か所のクリニックで同時に診られるのが当院の特徴です。マンジャロを含む新しい薬剤が腎機能に与える影響も、院内で確認できます。
副作用と注意点
マンジャロを使用する際に知っておいていただきたい副作用があります。
消化器症状:悪心(吐き気)、下痢、便秘、食欲減退が比較的多く見られます。多くは投与開始時や増量時に起こり、継続するうちに軽減する傾向があります。
低血糖:マンジャロ単独では低血糖のリスクは低いとされていますが、SU薬やインスリンと併用する場合は注意が必要です。
急性膵炎:まれですが、激しい腹痛が続く場合はすぐに医療機関を受診してください。
厚生労働省も、GLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について注意喚起を行っています。必ず医師の指示のもとで使用し、自己判断で用量を変更しないでください。
使い方について
マンジャロは週1回の皮下注射で使用します。
開始用量は2.5mg/週
4週間の間隔で2.5mgずつ増量
維持用量は5〜15mg/週(患者さまの状態に応じて調整)

オートインジェクター(アテオス)を使用するため、ご自身で簡単に注射できる仕組みになっています。当院では初回に看護師が注射の手技を丁寧にご説明し、実際にご自身で打てるようになるまでサポートしています。「思ったより簡単だった」とおっしゃる方がほとんどです。
よくある質問
Q:マンジャロは誰でも使えますか?
A:マンジャロは2型糖尿病の治療薬として承認されています。1型糖尿病の方には使用できません。また、膵炎の既往がある方、重度の胃腸障害がある方などは慎重な判断が必要です。当院では採血・尿検査・エコーなどの検査を院内で完結できるため、適応の判断に必要な情報をその日のうちにそろえることができます。
Q:今使っている薬からマンジャロに変更できますか?
A:現在の治療内容や病態によります。マンジャロへの切り替えが適切かどうかは、血糖値や体重の推移、合併症の有無などを総合的に評価して判断します。ご興味がある方はお気軽にご相談ください。
ご相談はお気軽に
「マンジャロについて詳しく聞きたい」「今の治療が自分に合っているか不安」という方は、お気軽にご相談ください。当院では、HbA1cの即日検査で現状を確認した上で、副院長(糖尿病内科)が時間をかけてお話しします。
吹田市で糖尿病の薬物治療についてお悩みの方へ──薬の選択だけでなく、腎臓専門医による腎機能の同時評価、隣接するビタレーザラボ(グローバルビレッジ津雲台内)での運動療法まで、ひとつのクリニックでトータルにサポートできるのが当院の強みです。
詳しくは糖尿病内科の診療ページもご覧ください。
吹田いろどり腎臓・糖尿病内科クリニック
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【参考文献】
-日本糖尿病学会.「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)」糖尿病 66(10): 715-733, 2023. J-STAGE(https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/66/10/66_715/_article/-char/ja/)
-日本糖尿病学会 編著.「糖尿病診療ガイドライン2024」第5章 血糖降下薬による治療. 南江堂; 2024.
-厚生労働省.「GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について」医薬品・医療機器等安全性情報 No.406(https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/safety-info/0163.html), 2023年12月.
【執筆者】
部坂 有紀(へさか ゆき) 吹田いろどり腎臓・糖尿病内科クリニック 副院長
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。
※症状には個人差があり、記載内容がすべての方に当てはまるわけではありません。
※具体的な治療方針については、必ず医師の診察をお受けください。