
代謝内分泌内科
代謝内分泌内科
代謝内科は、代謝疾患と、内分泌疾患を中心に診断と治療を行っています。腸から吸収された栄養素から体内で必要な物質を生成したり、一度生成した物質を分解してエネルギーを生み出したりすることを代謝と言います。代謝疾患には、生活習慣病として挙げられる糖尿病、脂質異常症、肥満症、高血圧症、高尿酸血症などを診察します。
内分泌疾患は、甲状腺疾患、副腎疾患、下垂体疾患などホルモンを作る臓器の病気やホルモンの異常をきたす病気を専門的に診療します。内分泌疾患は、すぐにわかる特徴的な症状が現れないことが多く、内分泌疾患の十分な知識がないと症状を聞いただけでは診断することが難しいといえます。
当院では、内分泌臓器(下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎など)の診療に加え、電解質バランスの異常や内分泌の病気を原因とする高血圧、脂質異常症、糖尿病などにも幅広く対応しています。気軽に相談できる“内分泌の病気のかかりつけ医”としてお役に立てましたら幸いです。
内分泌疾患には、頻度の高い病気がたくさんあります。いずれも早期発見が非常に重要な疾患ばかりです。症状が当てはまる方や、気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。
日本高血圧学会では上の血圧である収縮期血圧が140mmHg以上、または下の血圧である拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧としています。脳卒中や心臓病、腎臓病などの重大な病気を発症する危険性が高まります。日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧といわれていますが、なかには別の病気があるために血圧が高くなる二次性高血圧症があります。その多くは腎臓病や内分泌疾患によるものです。とくに若年に起こる治療困難な高血圧は、内分泌性高血圧症である可能性が高く、糖尿病を合併することもあります。
脂質異常症とは血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増えたり、HDL(善玉)コレステロールが減ったりした状態のことをいいます。この状態を放置していると動脈硬化性疾患をまねくリスクが高まります。
過食、運動不足、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどが関係しており、「内臓脂肪型肥満」ではLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。また、遺伝性の「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。
糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、十分に働かないため血糖値が高くなる病気です。1型糖尿病2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他特定の機序・疾患によるものの4つのタイプに分類されていますが、圧倒的に多いのは、2型糖尿病です。その発症には、インスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣が関係しています。
進行すると、神経障害、網膜症、腎症など様々な合併症を引き起こすことがあります。生活習慣を見直すことが大切です。当院では諸検査の結果に基づき、患者さん一人ひとりのライフスタイルに応じたきめ細かな治療を行っています。
肥満に伴って糖尿病、高血圧症、脂質異常症などを合併し、減量が必要とされる病態が肥満症です。単純性肥満と内分泌疾患などに伴う二次性肥満があり、内臓脂肪の蓄積による内臓肥満は、メタボリックシンドロームの基盤となり、他の生活習慣病や動脈硬化性疾患の危険性が高まるといわれています。重度の肥満症では生活指導とあわせて、薬物療法や超低カロリー食事療法などが行われます。
骨粗鬆症は、骨の量と質の低下により骨折しやすくなる病気です。生活習慣病のひとつと考えられており、高齢化と共に増加し、予防や早期診断が注目されています。骨粗鬆症には閉経後の女性に多い「閉経後骨粗鬆症」のほかに、甲状腺や副甲状腺など内分泌疾患と関係して起こってくるものもあります。気になることがある方は、一度骨密度を測定することをお勧めします。
甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、代謝が高まる(亢進する)ことで症状が現れます。甲状腺が腫れてホルモン産生が増加するバセドウ病が有名です。
症状としては、異常発汗、手が震えたり、体重減少、動悸などが現れます。下痢や不安感、怒りっぽくなる、疲労感などの症状が出ることもあります。また、眼球が突出などの症状もあります。多くの場合、まず、薬物療法が行われます。
橋本病は慢性甲状腺炎とも呼ばれる甲状腺機能低下症の代表的な病気です。炎症が生じ、甲状腺が少しずつ破壊されます。全身の代謝が低下するため、寒がり、体重増加、体温低下、だるさ、便秘、高脂血症などが出現します。うつ病や更年期障害、脂質異常症として治療されていることもあるので、疑わしい症状があれば、甲状腺ホルモンの検査をお勧めします。
甲状腺腫瘍は無症状のことが多いため、頸部のしこりに偶然気づいたり、検診などで指摘されたりする方が増えています。多くは良性腫瘍であり、悪性腫瘍は、乳頭がんが全体の90%以上を占めているといわれています。
甲状腺に腫瘍がみつかった場合、良性、悪性を判断するために速やかな受診をお勧めします。
脳下垂体は脳の中心から垂れ下がっている器官であり、下垂体前葉・後葉と分泌される。内分泌腺のホルモン分泌や尿量を調節する重要な役割を果たしています。ホルモン分泌が増加する病気には先端巨人症、クッシング病などがあります。ホルモン分泌が低下する病気には下垂体機能低下症や中枢性尿崩症があります。
副甲状腺の病気の多くは、副甲状腺機能亢進症です。副甲状腺ホルモンの過剰な分泌によって、血液カルシウム濃度が上昇し、尿路結石、骨粗鬆症や高カルシウム血症による様々な症状(食欲不振、嘔吐、便秘、倦怠感、筋力低下、精神症状、口渇感、多飲多尿など)を引き起こします。血液中のカルシウム・副甲状腺ホルモン(PTH)量が高値になることで診断ができます。
副腎は腎臓の上にある小さな器官であり、ホルモンを作る働きをしています。副腎に腫瘍ができ、ホルモンが過剰に産生されると、太ってきたり、高血圧になったり、糖尿病になるなど様々な症状が起きてきます。副腎ホルモンは人にとって必要不可欠な物質であり、副腎の働きが悪くなる病気は生命に関わることもあります。血液検査のほか、ホルモン負荷試験や各種画像診断等で正確に診断することが重要です。
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