知っておきたい「糖質」と「糖類」の違い|吹田の腎臓内科 糖尿病内科|吹田いろどり腎臓・糖尿病内科クリニック

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知っておきたい「糖質」と「糖類」の違い

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2026年8月24日

知っておきたい「糖質」と「糖類」の違い

この記事でわかること
・「糖質」「糖類」「炭水化物」の違いと階層関係
・「糖類ゼロ」「糖質ゼロ」「糖質オフ」表示の本当の意味
・血糖スパイクを防ぐための食品表示の正しい見方

健康意識の高まりとともに、「糖質制限」や「ロカボ」という言葉が浸透しました。スーパーやコンビニには「糖類ゼロ」「糖質オフ」といったラベルがあふれていますが、これらを正しく理解して選べているでしょうか。

「糖質を控えているから、糖類ゼロならいくら飲んでも大丈夫」
 「甘くないおせんべいなら、太らないはず」

こうした思い込みが、実は生活習慣病のリスクを高めているケースも少なくありません。

しかし、糖質は決して悪者ではありません。糖(ブドウ糖)は 脳にとっての「唯一無二」のエネルギー源です。糖質は「食べない方がいい悪者」ではなく、「車のガソリンのように、走る分だけ適切に補給すべきもの」です。

「糖」を理解し、「糖」と上手く付き合っていきましょう!

「糖質」と「糖類」は別物!成分の階層図

日本の食品表示法では、以下のような階層構造になっています。

炭水化物(一番大きな括り)
 ├ 食物繊維(体内で消化されにくい/血糖値を上げにくい)
 └ 糖質(体内で消化・吸収されエネルギーになる/血糖値に影響する)
  ├ 糖類(単糖類・二糖類:ブドウ糖、果糖、砂糖など)
  ├ 多糖類(でんぷん、デキストリンなど)
  ├ 糖アルコール(エリスリトール、キシリトールなど)
  └ 高甘味度甘味料(アスパルテームなど)

「糖類は、糖質という大きなグループの中の一部」であり、その中でも特に吸収が早いものを指します。

糖質とは?:私たちのエネルギー源

糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものの総称です。ご飯、パン、麺類、芋類に含まれる「でんぷん」も糖質に含まれ、体内で分解されてブドウ糖となり、脳や筋肉のエネルギー源となります。

「糖質制限」とは、糖類だけでなく、でんぷんなどの多糖類も含めた「エネルギーに変わる物質全体」をコントロールしようという考え方です。

糖類とは?:血糖値を急上昇させる正体

糖質の中でも、さらに細かく分類されたのが糖類で、以下の2つを指します。

・単糖類:ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)
・ 二糖類:砂糖(ショ糖)、乳糖、麦芽糖

分子構造による吸収スピードの違い

なぜ「糖類」が特別視されるのか、それは分子の形に理由があります。

・糖類(単糖・二糖): 構造が非常に単純なため消化の必要がほとんどなく、小腸で瞬時に吸収されて血液中に流れ込むため、「血糖スパイク」を引き起こします。

・多糖類(でんぷん等): 単糖が数百〜数千個繋がっているため、消化酵素でバラバラにする時間が必要です。そのため糖類に比べると吸収がゆっくりになります。

人工甘味料について:メリットと注意点

「糖類ゼロ」や「カロリーゼロ」を実現するために欠かせないのが人工甘味料(高甘味度甘味料)です。

代表例:アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなど。

メリット: 砂糖の数百倍の甘みを持ちながら、体内で代謝・吸収されないか、されてもごく少量であるため、血糖値を直接上げることはありません。

注意点: 血糖値には影響しませんが、強烈な甘みに慣れてしまうと味覚が麻痺したり、依存性を生んだりする可能性が指摘されています。また、「ゼロ」だからと過信して食べ過ぎることで、他の成分(脂質や小麦粉などの糖質)を摂りすぎてしまう二次的なリスクにも注意が必要です。

甘くないお菓子の落とし穴

例えば「甘さ控えめだから、おせんべいを食べている」「糖類ゼロだから大丈夫でしょ」という方は要注意です。

おせんべいは「形を変えたご飯」: 主原料はお米であり、成分のほとんどは「でんぷん(糖質)」です。砂糖が塗られていなくても、食べれば体内でブドウ糖に分解され、血糖値を急激に上げる原因になります。

「糖類ゼロ」お菓子の正体: 砂糖の代わりに糖アルコールを使用しており血糖スパイクは抑えられますが、小麦粉由来の「糖質」や「脂質」は含まれているため、食べ過ぎれば太ります。

「糖類ゼロ」「カロリーゼロ」「糖質オフ」の裏側

・糖類ゼロ: 砂糖やブドウ糖は不使用ですが、でんぷん(糖質)が含まれている場合があります。
・ 糖質ゼロ: 糖類も多糖類もほぼ含まれません。血糖値への影響を最小限にしたい場合に適しています。
・ 糖質オフ: 「従来品より減らした」という比較表現です。元が多い食品の場合、オフでも依然として糖質が多いことがあります。

なぜ「糖類」に注意すべきなのか?血糖スパイクを引き起こす危険性

食後に血糖値が急上昇し、その後インスリンの大量分泌によって急降下する状態を「血糖スパイク」と呼びます。

・血管へのダメージ: 急激な変動は血管の内壁を傷つけ、動脈硬化や血管老化の原因になるとされています。
・ 強い眠気と空腹感: 血糖値の急降下は、食後の眠気や「偽の空腹感」を生みます。
・ 脂肪の蓄積: 余ったブドウ糖は中性脂肪として蓄えられます。

選び方の注意点:食品表示のどこを見るべきか

「炭水化物」の内訳を見る: 「糖質」と「食物繊維」の内訳が書かれているものを選びましょう。

原材料の順番を見る: 原材料は多い順に記載されます。最初に「砂糖」や「果糖ぶどう糖液糖」があるものは、糖類が多い証拠です。

「エリスリトール」をチェック: 糖質に分類されますが、血糖値に影響を与えにくい成分です。エリスリトールは、厚生労働省のエネルギー評価法に基づき、エネルギー値が 0kcal/g と認められている唯一の糖アルコールです。

よくあるご質問

Q. 「糖類ゼロ」のお菓子を食べれば血糖値は上がりませんか?

A. 必ずしもそうとは言えません。「糖類ゼロ」でも、でんぷん(糖質)や脂質が含まれる場合があります。成分表示で「糖質」の量を確認することが重要です。

Q. 果物は「糖類」が多いのに食べていいですか?

A. 果物には果糖(単糖類)が含まれており、糖類に分類されます。適量であれば食物繊維やビタミンも摂れますが、食べ過ぎると血糖値が上がります。糖尿病の方は1日の摂取量について、主治医や管理栄養士にご相談ください。

Q. 糖質制限と糖類制限、どちらを意識すればいいですか?

A. 目的によって異なります。体重を管理したい方は「糖質」全体の量を、血糖値の急上昇を抑えたい方は「糖類」の摂取を意識するのが基本です。ただし、適切な制限量は体の状態によって個人差があります。糖尿病内科でご相談いただくと、個々の状況に合わせたアドバイスが可能です。

まとめ

「糖質」は大切な燃料ですが、特に「糖類」の過剰摂取は、血糖スパイクを通じて血管への負担、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めることになります。ダイエットしたい人は「糖質」全体の量を、血糖値を上げたくない人は「糖類ゼロ」や低GI食品を優先しましょう。

吹田市・千里エリアで生活習慣病や血糖値が気になっている方は、次にお買い物をするとき、ぜひパッケージの「裏側」を覗いてみてください。

当院では、糖尿病専門医や管理栄養士が在籍しています。血糖値が気になる、最近太ってきて痩せづらいと感じる、健診結果が気になる方など体調などに心配がある方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

・消費者庁:「食品表示法」および「食品表示基準」
・ 厚生労働省:e-ヘルスネット(健康用語辞典)
・ 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・ 日本糖尿病学会 編『糖尿病診療ガイドライン2024』南江堂、2024年 ISBN: 978-4524204564
・「日本人の食事摂取基準」策定検討会 編『日本人の食事摂取基準(2025年版)』第一出版、2024年 ISBN: 978-4804114842
・ 消費者庁 食品表示企画課『知っておきたい食品表示 第2版』ISBN: 978-4865792447

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

記事監修:部坂 有紀(日本糖尿病学会糖尿病専門医)

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