2026年7月23日

学校健診で尿たんぱく陽性と指摘された場合、一時的なものが多く腎臓病とは限りません。再検査と専門医への相談が、早期発見の鍵です。
この記事でわかること
尿たんぱく陽性の多くは一時的なものであること
再検査・精密検査で確認すべき具体的なポイント
受診を急ぐべきサインと、当院での対応内容
春は新学期が始まり、学校健診の結果が配られる時期です。
「尿たんぱくで引っかかりました」と書かれていて、びっくりした方も多いのではないでしょうか。

「腎臓が悪いの?」「治療が必要?」と不安になりますよね。
でも実は、尿たんぱく陽性=すぐに病気、というわけではありません。
今回は、尿たんぱくの見方と対応について、わかりやすく解説します。
そもそも「尿たんぱく」ってなに?
通常、体の中のたんぱく質は腎臓でしっかり再吸収されるため、尿にはほとんど出ません。
しかし何らかの理由で、尿中にたんぱく質が出てくることがあります。これを「尿たんぱく陽性」といいます。

実はよくある!一時的な尿たんぱく
学校健診で見つかる尿たんぱくの多くは、一時的なものです。
たとえばこんなときに出やすくなります。
・激しい運動をしたあと
・発熱しているとき
・脱水気味のとき
・朝ではなく日中の尿で検査したとき
特に子どもでは「起立性蛋白尿」といって、立っている時間が長いと尿たんぱくが出るタイプもあります。
この場合、朝一番の尿では正常になるのが特徴です。
つまり、1回の検査だけでは判断できないことが多いのです。
再検査が大事な理由
学校から「再検査のお知らせ」が来た場合は、必ず受けましょう。
再検査では主にこれらを確認します。
・朝一番の尿で検出されるか
・尿たんぱくが持続しているか
・血尿が混ざっていないか
ここで正常であれば、多くは心配いりません。
精密検査(二次検診)で調べる内容

学校健診では、尿定性(テステープ)と呼ばれるスクリーニング検査(一次健診)を行います。陽性と判断された場合、当院では精密検査(二次検診)を院内で実施しています。
・尿沈渣(にょうちんさ)
顕微鏡レベルで赤血球の有無を確認したり、腎炎に特徴的な「円柱」が検出されていないかをチェックします。
・尿蛋白定量
尿の濃さによって変動する尿定性とは異なり、「1日あたりどのくらいの尿たんぱくが出ているか」を正確に推定します。
・尿細管間質障害マーカー
尿中β2MG(β2ミクログロブリン)などを測定し、薬・サプリメント・アレルギーなどを原因とする腎障害を検出します。近年の腎臓学会でも注目されている尿中NAGや尿中α1MGなども対応しています。紅麹サプリメントが話題となった際にクローズアップされた尿細管間質障害の早期発見にも役立ちます。
注意が必要なケース
以下のような場合は、医療機関での詳しい検査がすすめられます。
・尿たんぱくが何度も陽性になる
・血尿(潜血)も一緒に出ている
・むくみ(特にまぶたや足)がある
・血圧が高い
こうした場合、腎臓の病気(腎炎など)が隠れている可能性があります。
お一人で抱え込まず、早めにご相談ください。
保護者の方へ:まずは落ち着いて対応を
尿たんぱくで引っかかると不安になりますが、ほとんどは経過観察で問題ないケースが多いです。
大切なのは、この3点です。
・再検査をきちんと受ける
・指示があれば医療機関を受診する
・自己判断で放置しない
必要以上に怖がる必要はありませんが、「念のため確認する」ことが、お子様の健康を守る第一歩です。
健診シーズン、お子様の結果に「おや?」と思われたら、ぜひ一度当院へご相談ください。
当院では、検査結果をその日のうちにお伝えし、腎臓専門医がわかりやすくご説明します。
よくある質問
Q. 健診で尿たんぱくが出ましたが、まず何をすればいいですか?
A. 学校から届いた再検査の指示に従い、朝一番の尿を持参して医療機関を受診してください。1回の結果だけでは判断が難しいため、継続的な確認が大切です。
Q. 子どもの「起立性蛋白尿」とは何ですか?
A. 立った姿勢のときにだけ尿たんぱくが出る状態で、子どもによく見られます。朝一番の尿では陰性になるのが特徴で、多くの場合は成長とともに自然に改善します。
Q. 精密検査はどのくらい時間がかかりますか?
A. 当院では採尿から当日中に結果をご説明できるよう対応しています。お仕事帰りや学校帰りにもご来院いただけます。心配なことはなんでもお気軽にご相談ください。
Q. 腎炎と診断された場合、どんな治療になりますか?
A. 腎炎の種類や進行度によって異なりますが、当院では検査から治療方針の決定まで院内で対応可能です。患者さまのご状況に合わせた選択肢をご提案します。
参考文献
・日本腎臓学会 診療ガイドライン(検尿の原則)
・メディカルノート「小児の蛋白尿」
吹田いろどり腎臓・糖尿病内科クリニックでは、腎臓に関するご相談をお気軽にお受けしています。
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免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の診断・治療を行うものではありません。症状や検査結果への対応には個人差があります。お子様の具体的な症状や結果については、必ず医師の診察をお受けください。
【執筆者】
部坂 篤(へさか あつし) 吹田いろどり腎臓・糖尿病内科クリニック 院長
(日本腎臓学会腎臓専門医・日本内科学会総合内科専門医・日本透析医学会透析専門医・日本高血圧学会高血圧専門医)